■プロフィール
安戸 肇(Hajime Ando)
理学療法士(国家資格)
理学療法士として、整形外科・神経内科にて6年間勤務
東京海上日動サミュエル株式会社にて2年間勤務
その間、オステオパシーを学びながら2008年より名古屋で開業、現在に至る
これまでのオステオパシーに関する受講時間は数千時間に及ぶ。
(これまでに教授していただいた講師陣)
Dr.Gregory Yesensky D.O.
Dr.Stefan Hagopian D.O
Dr.William Foley D.O.
Dr.Stephen Kisiel D.O.
Dr.Richard Koss D.O.
Dr.Kenneth Graham D.O.
Dr. Carl Steele D.O.
Dr. Charles Beck D.O.
Dr.John Glover D.O.
Dr.John Lewis D.O.
Dr.Mitchel Hiserote D.O.
Dr.Mark Rosen D.O.
Dr.Andrew Goldman D.O.など多くの才能豊かなドクターから教えを受けています。
■この道を志すきっかけ
私の原点
実はこの道を志す特別なきっかけがあったわけではありませんが、ある患者さんとの出会いが医療従事者としての私の原点となりました。
その患者さんは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という進行性の病気を患っていました。
就職して間もない頃、当時私が勤めていた病院は2Fがリハビリ室で、1Fが受け付けでした。その患者さんのリハビリを終え用事で1Fに降りると、ちょうど会計をされている姿を目にしました。何でもない光景ですが、私にとっては今でも忘れない印象的なものでした。その患者さんの後姿は、お金の重みを教えてくれているようでした。同時に私の中ではっきりとプロ意識が芽生えた時でもありました。
この患者さんは、私が退職するまでの3年余ほぼ毎日通院されました。最初は車を運転して、病気が進行して両腕に麻痺が出てくると歩いて来られ、最後はご家族と一緒に車椅子で通院されました。
良くなっていくわけでもないのに暑い日も、寒い日も、雨の日も通ってきてくれました。私はただ一所懸命にリハビリをするだけでしたが、その中で技術だけでなく思いやり・優しさの大切さを教えられ、同時にそれは医療の原点であると考えさせられました。
しかし思いやりだけでは医療は提供できません。サイエンス(EBM)に基づいた確かな技術が必要です。ところが技術に関しては、大きな壁にぶつかっていました。また同時に現行の医療制度では、サービスの質より効率性を優先せざるを得ない現状にもどかしさを感じていました。
そんな中で様々な分野の書を読みあさり、話を聞き、見学に行き、セミナーにも参加しましたが、どれもピンときませんでした。手でできることには限界があるのかとも思いかけていました。そんなある日、オステオパシーの事を知りその哲学・思想・原理に触れ、視界の霧が晴れていくのを感じました。やっと自分の探していたものが見つかったのです!
オステオパシーを通して、痛みや不調の回復だけでなく、その方が自分自身、そして人生に本来のパワーを取り戻していただけたら嬉しいです。これからも日々精進です。